岐阜県美濃市での移住生活を振り返る
暮らしの中にある誰かの価値観ほど困るものはない。
場合によっては、雑音のように心の中に鳴り響き、
私に集中することができなくなってしまうから。
豊かな自然を前に、静かな気持ちで今までの暮らしを振り返ると、
こんな言葉が出てきました。
誰かの考え方や正解が、いつの間にか生活に入り込んでいる。
そんな経験はありませんか?
良い方向に後押ししてくれるものは大切にしたいですが、
なんとなく気が重くなる、逃げ道がないものには縛られたくはないですよね。
こうしたざわつきに惑わされることがないと、心はとても平和です。
美濃市での移住生活を振り返り、ふと気づいた価値観の変化。
今回はこの経験を改めて考えてみようと思います。

お話を続ける前に、まずは私が住んでいる、岐阜県美濃市をご紹介させてください。
美濃市は、人口2万人くらいの小さな町です。
和紙が有名で、江戸時代の情緒が残る、うだつの上がる町並みがあります。
そして何より知っていただきたいのが、豊かな自然。
美しい清流と山々が身近にあります。
自宅から徒歩2分程歩くと、この雄大な自然を眺めることができるので、川は生活の一部になっています。心に残る景色がたくさんあります。
絶えずサラサラと流れる清流
水面のキラキラ
稚魚が飛び跳ねる様子
夕暮れ時、オレンジと夜が混ざる時間

季節ごと、日ごとに違う自然の姿は、
何度見ても飽きません。
この場所は、私を変えようとするわけではなく、
ただ、そっと受け入れてくれました。
頑張らなくてもいい。
焦らなくてもいい。
そんな感覚を、この町は教えてくれました。
自己肯定感は自然と底上げされ、
今までの価値観はくるりと入れ替わった感覚があります。
人との関係も、波風立たず穏やか。
田舎の閉塞感のようなものは特になく、
会えると、嬉しくなる人ばかりに囲まれた暮らしは、
心が安定します。
働くことへの考え方も大きく変わりました。
働くことは、我慢や消耗を伴う、どちらかと言えば辛いイメージでした。
でも今は、自分を活かす営みを楽しく続けることもできる。
という考えに変わりました。
楽しく働く大人は、見ていて気分がいいです。
ただ、過去の価値観が間違いだったとは思いません。
あの環境で、あの時の私には、必要な価値観だったのだと思います。
一方で、価値観は積み重なるものでもある、とも思います。
過去の価値観は、なくなるのではなく内側に残る。
疲れた時や、不安な時には、
昔の考え方に引き戻されそうになることもあります。
それは退行ではなく、
慣れ親しんだ考え方に戻ろうとする、
人として自然な反応なのだと思います。
今の私は、価値観を選択することができます。
揺れることはあっても、また戻ってくる場所を
自分の中に持てるようになった。
価値観が変わらない人はいないのではないでしょうか。
暮らしと共に、変動していくものだと思います。
大切にしたいのは、自分に集中できているか。
雄大な自然が教えてくれた、新たな価値観は、
私にとって、大きな財産です。
美濃市で過ごした時間は、
静かだけれど、とても豊かでした。
この町がくれたものを、住む場所は変わっても
これからも大切にしていきたいと思います。


