kitoteのレッスンが大切にしていること
「自分のための特別な時間になりました」
レッスンのあとにそんなご感想をいただくことがあります。
kitoteのレッスンは、料理を学ぶだけの場所ではなく、日常から少し離れて、心を整えるような時間でありたいと願いながら続けています。
せいろの湯気に包まれながら、素材と向き合い、手を動かし、香りや温かさを感じる。
忙しい日々の中では見過ごしてしまいそうな、小さな心地よさや静けさを、料理という形で感じていただきたい。
そんな思いでレッスンを準備しています。
kitoteを始めた頃から、ずっと大切にしているのは
「売ること」よりも 「伝えること」。
レッスンも、販売も、どちらも簡単なことではないですし、
話すのはとっても苦手なので、毎回ものすごく緊張します。
もちろん、楽しいという気持ちが一番なんですが、どんなに準備をしていても、
「これで大丈夫かな」と不安になります。
振り返ってみて、満足した日なんて、実は一度もないかもしれません。
それでも続けてこれたのは、参加者の皆様のあたたかい言葉があるからです。
「とっても楽しかったです」「また参加したいです」
などの心のこもった言葉をたくさんかけていただけることは、私の原動力になっています。
本当にありがとうございます。
先日のレッスンでは、
「なんでこの活動をしているんですか?」「医療関係の仕事からどうして?」
というご質問をいただきました。
改めて私自身の想いに立ち返る機会をいただきました。
ありがとうございます。
一見全く関係のないお仕事には思えますが、
伝えたい想いは変わらず、私の中にあるキーワードは「健康」なんです。
臨床検査技師を辞めた時、「絶対復職してね!」「もったいない」という言葉をかけていただきました。
育てていただいた分、続けなくては。という気持ちが最近まであったのですが、
kitoteの活動を続けるうちに、今こうして手段が変わったことで、さらにお伝えできることが増えたと感じています。
食べること、生きること、暮らすこと。
私がkitoteを通して伝えていきたいのは、
日々のなかにある小さな養生のようなもの。
せいろも、道具のひとつでありながら、
とても深く、やさしく暮らしに寄り添ってくれます。
まだスタートに立ったばかり。
これからも学びながら、初心を忘れずに、
暮らしの中のささやかな養生となるようなレッスンを続けていきたいと思います。
誰かにとっての「来てよかった」の記憶になるように、ひとつひとつの時間を丁寧に積み重ねていきます。