和せいろのサイズの秘密
ごあいさつ
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こんにちは。
自然素材の台所道具を扱うネットショップkitoteの店主ほったちえです。
和せいろや、日本の伝統を受け継いだ道具をより身近に感じていただきたい。
愛着を持ってお使いいただきたい。
という思いを込めて、普段はInstagramを中心に発信しておりますが、最近は心の中にお伝えしたい情報がありすぎてまとまりきらない!ということでコラムを始めることにしました。
インスタはパッと視覚に入る情報を楽しむ場所というイメージがありまして、長文をのせてもあまり読む気になれないかなぁと・・・
こちらにたどり着いた方が気になったタイミングでお読みいただけると嬉しいです。
本日のテーマは和せいろのサイズの秘密
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早速ですが、和せいろの大きさについてお話させていただきます。
大きさといっても今回は、容量や何人用などの実用的なイメージにつながるお話ではありません。
がっかりされた方はすみません。
この話題は、職人さんにとっては当然の話ではあるので、そこを取り上げるの?と驚かれそうですが、ふと皆様にお伝えしたいと思ったのでご紹介いたします。
初回から、かなりマニアックなお話ですが、興味本位でくつろぎながらお読みいただけると嬉しいです。
和せいろのサイズの由来を考える
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さて、Kitoteの和せいろには、15cm、18cm、21cmの3サイズがあります。
みなさんはなぜこのサイズなのか、考えたことはありますか?
鍋の規格に合うから?
さらに大きいサイズだと、24cm、27cm・・・とサイズアップします。(ちなみに24cmの和せいろから、急激に業務用感満載のサイズ感になります。このお話はまた別の機会に!)
ここまで来て、どうやら3cm刻みでサイズアップするらしいということはお気づきでしょうか?
和せいろは3cm刻みの大きさ
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本日のテーマ「和せいろのサイズの秘密」は、この3cm刻みでのサイズ展開がポイントとなります。
誰も疑問に思わなそうなところですが、あえてスポットを当ててお話させていただきます。
昔ながらの単位が使われている
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いきなり結論をいってしまうのですが、
和せいろを作る曲物職人さんの間では大きさの単位に寸や分を使っています。
そう、一寸法師の寸です。
職人さんが使う道具にも昔ながらの単位が使われている。
日本では昭和にメートル法が導入されるまで、古代中国から伝わった尺貫法という単位が使われてきました。
この尺貫法はかなり長い期間使われ、このような昔ながらの単位は、大工さんや昔ながらの技法を受け継ぐ職人さんの間では今でも使い続けられています。
私は最近食文化とその歴史にとても興味があるのですが・・・
始まりをたどると、結局は中国や朝鮮の文化に行き着くのですよね。歴史は苦手ですが、好きな分野に関連しているとこは面白く感じるので不思議です。
「人間は万物の尺度」
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という言葉があるように、昔の人は、人の身体をものさしとして長さを表してきました。
手首から肘にかけての骨を尺骨と言いますが、その長さがだいたい30cm=1尺とされてきました。
1寸は1/10尺ですので、1寸は約3cmということです。
ですので、職人さんたちは、15cmは6寸、18cmは7寸、21cmは8寸と呼んで和せいろを扱っています。
寸が基本の単位となるので、道具もそのようになっています。
メジャーも寸、分の単位、木材の長さや、切り落とす幅も寸で考えるなどです。
ということで、職人さんとお話しするときは当然のように「寸」を基本としたお話となります。
寸・・・分・・・などという言葉が飛び交う工房内で、私は最初、イメージが付かずに思考停止。
みなさんは、「そこの5寸の!、6寸5分の!」といわれてすぐにイメージが付きますか?
このような寸、分などの呼び方、私はいまだに慣れません・・・
頭の中で変換するのに一呼吸入ります。
まとめ
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和せいろのサイズは、何となく、15cm、18cm、21cmとされているのではないということがご理解いただけたでしょうか?
和せいろのサイズという意外なところにも日本の伝統が隠されていましたね。
ちなみに私のおすすめは7寸の和せいろです!
みなさんは何寸の和せいろが気になりますか?
よかったら教えてください。
次回は、「ヘルシー料理で健康になれるのか」をテーマにお話しようと思います。
ご感想やご指摘などありましたらお気軽にLINEやInstagramのDMからお送りいただけると嬉しいです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
<参考資料>
『丸善 単位の辞典』 監修:二村隆夫
『調べる学習百科なんでもはかれる!単位の本』 編著:石倉ヒロユキ 監修:武藤徹、三浦基弘
『これだけ!単位』著:伊藤幸夫、寒川陽美
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和せいろや、日本の伝統を受け継いだ道具をより身近に。
愛着を持ってお使いいただきたい。
という思いを込めて、私が職人さんに教えていただいたこと、和の道具を使って感じたこと。日々の自然の癒しなどをご紹介していきます。